【メーカー別】期間工の記録
同一労働同一賃金制度で期間工の待遇がどう変化するのかを考える

どうもきろくがかりです。

2020年4月から同一労働同一賃金が実施されます。

巷では非正規社員の待遇がアップするとかしないとか言われてますけど、正直どうなるのか全くわからないです。

と言うわけで今回は

同一労働同一賃金

が実施されると期間工の待遇はどうなるのかを、実際の判例を交えて書いていきます。

記事の内容に関してですが、法律家の裏付けが有るわけではないので信頼度は寝言同然です。

ただ判例については事実なので、まぁヒマつぶし&ちょっとした豆知識を得られる…程度の感覚で見ていただければと思います。


それではいってみましょー

同一労働同一賃金で期間工の待遇はどう変わるのか?実際の判例を紹介


まず初めに同一労働同一賃金で期間工の待遇はどう変わるのか?

結構参考になる判例がありましたので紹介したいと思います

井関松山製造所事件の概要と判例

ここで紹介するのは

『井関松山製造所事件』

です。

事件っていうとなんか不穏な印象を受けますが、普通の労働裁判です。

イセキ松山製造所事件の概要はこんな感じ。

井関農機の子会社で働く有期契約労働者5人の原告らが、被告(井関松山製造所)と期間の定めのない労働契約を締結している従業員(正社員)との間に

賞与及び各種手当(家族手当・住宅手当・精勤手当)の支給に関して不合理な相違が存在するのは違法

とし、不法行為に基づく損害賠償請求として実際に支給された賃金との差額の支払を求めた裁判です。

んで、判決なんですけど、こんな感じになりました。

判決
高松高等裁判所は7月8日、各手当の主旨を個別に考慮するとした上で、手当は職務内容と関係なく、年齢や出勤日数などの支給要件が規定されていることから、不支給は不合理であり違法とし、精勤手当など合計約300万円の支払いを命じた。賞与については格差を不合理とは認めなかった。

簡単に説明すると、

正社員が貰うボーナスと期間工が貰うボーナスの金額が違うのは適法だけど、各種手当が正社員にしか支給されないのは違法だよ~

って事です。

なぜ各種手当の支給は認められて、ボーナスについては却下されたのか?

それについてここから書いていきます。

家族手当と住宅手当の不支給が違法とされた理由

まずは各種手当の不支給が違法とされた理由についてですが、裁判所の判断は以下のようになっています。


家族手当
「証拠によれば,昭和14年にインフレを抑制するために発出された賃金臨時措置令を受けて賃金引上げが凍結されたが,物価上昇によって,扶養家族を有する労働者の生活が厳しさを増したことから,翌年,一定収入以下の労働者に対し扶養家族を対象とした手当の支給が許可されたことにより,多くの企業において家族手当が採用されたこと。

その後,第2次大戦直後のインフレ期には,労働組合が生活保障の要素を重視する観点から家族手当の支給や引上げを要求し,企業もそれに応じ,高度経済成長期には,いわゆる日本的雇用システムが構築され,正規雇用者として長期に雇用される男性世帯主を中心に支給される家族手当が,従業員に対する処遇として定着したことが認められる。」

「被告においても,家族手当は,生活補助的な性質を有しており,労働者の職務内容等とは無関係に,扶養家族の有無,属性及び人数に着目して支給されている。」

「上記の歴史的経緯並びに被告における家族手当の性質及び支給条件からすれば,家族手当が無期契約労働者の職務内容等に対応して設定された手当と認めることは困難である。

そして,配偶者及び扶養家族がいることにより生活費が増加することは有期契約労働者であっても変わりがないから,無期契約労働者に家族手当を支給するにもかかわらず,有期契約労働者に家族手当を支給しないことは不合理である。」

住宅手当の不支給が違法とされた理由は以下


住宅手当
「被告は,無期契約労働者に対して一律に住宅手当を支給しているわけではなく,民営借家,公営住宅又は持家に居住する無期契約労働者に住宅手当を支給している

そして,民営借家居住者には公営住宅居住者及び持家居住者と比べて高額な手当を支給し,扶養者がいる場合にはより高額な手当を支給している。また,賃貸契約の場合,当人が賃貸契約の当事者であることを要件としている。」

 「そうすると,被告の住宅手当は,住宅費用の負担の度合いに応じて対象者を類型化してその者の費用負担を補助する趣旨であると認められ,住宅手当が無期契約労働者の職務内容等に対応して設定された手当と認めることは困難であり,有期契約労働者であっても,住宅費用を負担する場合があることに変わりはない

したがって,無期契約労働者には住宅手当を支給し,有期契約労働者には住宅手当を支給しないことは,不合理であると認められる。」

この件で家族手当と住宅手当の不支給が違法と判断された重要なポイントとしては

家族手当も住宅手当も正社員の仕事の内容や仕事の結果に対してではなく、生活補助的な意味合いで支給されている。

って部分。

当然ですけど期間工であっても配偶者や扶養家族がいれば生活費が増えますし、アパートを借りてれば住宅費用を負担する必要があります。

その点については正社員も期間工も変わりはないのに、正社員だけ手当てを支給する事に正当な理由はないから、期間工にも家族手当や住宅手当を支給しなさいよって事です。


うーん、上手く伝えるのが難しいけどこんな感覚です。

精勤(皆勤)手当の不支給が違法とされた理由

なお、精勤(皆勤)手当については以下のように説明されてます。


精勤(皆勤)手当
「無期契約労働者には,

月給者(連続1か月未満の欠勤については,基本給の欠勤控除を行わない者をいい,事務・技術職とされる。)
月給日給者(欠勤1日につき,月額基本給の1/20.3の金額を欠勤控除する者をいい,技能職とされる。)

がいるところ,被告は,月給日給者かつ当該月皆勤者に限り精勤手当を支給しており,月給者には精勤手当を支給していない

そうすると,精勤手当の趣旨としては,少なくとも,月給者に比べて月給日給者の方が欠勤日数の影響で基本給が変動して収入が不安定であるため,かかる状態を軽減する趣旨が含まれると認められる。」

 「そして,有期契約労働者は,時給制であり,欠勤等の時間については,1時間当たりの賃金額に欠勤等の合計時間数を乗じた額を差し引くものとされ、欠勤日数の影響で基本給が変動し収入が不安定となる点は月給日給者と変わりはない

したがって,無期契約労働者の月給日給者には精勤手当を支給し,有期契約労働者には精勤手当を支給しないことは,不合理であると認められる。」

簡単に説明すると

井関には月給制の社員と日給月給制の社員がいて、皆勤手当は日給月給制の社員のみに支給されている。

日給月給制の社員のみに皆勤手当が支給されてる理由は、月給制の社員に比べて日給月給制の社員の方が欠勤日数の影響で基本給が変動して収入が不安定だから

それを踏まえると井関の期間工は時給制で、欠勤日数の影響で基本給が変動し収入が不安定となる点は日給月給制の社員と変わりはない

にもかかわらず日給月給制の社員だけにしか皆勤手当を支給しないのは正しくないから、期間工にも同様に皆勤手当を支給しなさいよ~

って事です。

賞与の賃金格差が合法とされた理由

ちなみに賞与についての裁判所の判断は以下の通りです。


賞与
「一般的に,賞与は,支給対象期間の企業の業績等も考慮した上で,毎月支給される基本給を補完するものとして支給され,支給対象期間の賃金の一部を構成するものとして基本給と密接に関連し,賃金の後払としての性質を有することに加え,従業員が継続勤務したことに対する功労報奨及び将来の労働に対する勤労奨励といった複合的な性質を有するものと解されており,被告における賞与についても,これと同様の性質を有するものと推認される。そして,これらの性質については,無期契約労働者だけでなく有期契約労働者にも及び得ることは,原告らの指摘するとおりである。」

 しかし、

「(ア)将来,組長以上の職制に就任したり,組長を補佐する立場になったりする可能性がある者として育成されるべき立場にある無期契約労働者に対してより高額な賞与を支給することで,有為な人材の獲得とその定着を図ることにも一定の合理性が認められること,

(イ)原告らにも夏季及び冬季に各5万円の寸志が支給されていること,

(ウ)中途採用制度により有期契約労働者から無期契約労働者になることが可能でその実績もあり,両者の地位は必ずしも固定的でないこと」

「総合して勘案すると,一季30万円以上の差が生じている点を考慮しても,賞与における原告らと無期契約労働者の相違が不合理なものであるとまでは認められない。」

ざっくり説明すると

将来性のある有望な人材を確保する為に高額な賞与を支給するのは妥当。

正社員と期間工とでは一季30万円以上の差が生じているが、その辺は企業側の裁量であり違法ではない

って所ですかね。

非正規社員の待遇はこう変化する?


この判例により、期間工や派遣の待遇がどのように具体的にどのように変化するのかというと


扶養家族がいる社員全員に家族手当を支給している会社で働いている期間工や派遣社員は、正社員と同額が支給される。

賃貸物件や持ち家の名義人である正社員全員に対して住宅手当を支給している会社で働く、賃貸物件や持ち家の名義人である期間工や派遣社員にも住宅手当が支給される。

欠勤日数の影響で基本給が変動して収入が不安定になり、それを軽減する為に皆勤手当を正社員に支給している会社で働く期間工や派遣社員は、正社員と同様に皆勤手当てが支給される。

・賞与は従業員が継続勤務したことに対する功労報奨及び将来の労働に対する勤労奨励といった複合的な性質を有するものと解されており、これらの性質については,正社員だけでなく期間工にも及び得る。よって期間工や派遣社員にも賞与が支給される可能性はある

こんな感じかなぁ?

九水運輸商事事件のような抜け道も


一応は今まで正社員のみに支給されていた手当てや賞与が、期間工や派遣社員といった非正規社員にも支給される可能性はあることはあり、待遇のアップにつながる事は考えられます。

ただ判例を見る限り、手当て一つとっても個別の事情がかなり影響しますし、

正社員に支給していた手当ての一部をカット、能力給へ上乗せする事で正社員の待遇を変えず、かつ非正規社員への手当て増額を回避する…といった九水運輸商事事件のような手法も合法とされていますので


九水運輸商事事件
九水運輸商事では

正社員1万円の通勤手当
パート社員5千円の通勤手当

をそれぞれ支給していたが、同一労働同一賃金への対応として、正社員・パート社員にかかわらず一律5千円とした。

その一方で、正社員の職能給を増額し正社員への総支給額はさがらないように配慮した事例

(福岡高裁平成30年9月20日判決)

色々と一筋縄ではいかないだろうな…ってのが判例をみての感想です。

おわりに

とりあえずここまで実際の判例みながら、同一労働同一賃金制度で期間工や派遣の待遇がどう変化するのかを考えてきましたが、

抜け道のようなやり方もあるし、違反しても罰則等ない事から

特に大きな変化はない

と言うのが最終的な自分の結論です。

そもそも自動車会社の期間工においては、皆勤手当や食事手当、満了金といった賞与てきなものがすでにありますからね。

唯一家族手当的なものがトヨタだけなので、支給がない企業に関しては追加で用意されるかもしれません。

ちなみに派遣社員に関してですが、自分は派遣社員として働いた事がないので、給料の内訳がどのようになっているか詳しくわかりません。

ただひとつだけ言えるのは、後々何かあった時に確認できるので労働契約書だけは捨てずに持っておいた方が良いと思います。

なお今回の記事は以下のサイトを参考に作成しました。




ま、同一労働同一賃金にまつわる話題はこれからも色々と出てくると思いますので、有益な情報ありましたらまた記事にしたいと思います。


それではまた!



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